皆さんの会社では、毎朝朝礼を行っていますか?
元気で活気のある朝礼をしている会社もあれば、ダラダラと暗くマンネリ化した朝礼をしている会社もあるかもしれませんし、朝礼をやっていないという会社もあると思います。
元々朝礼とは
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学校や会社などで、始業前に全員が集まってあいさつ・連絡などを行う朝の行事。
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(大辞泉より)
という定義ですが、企業だけにフォーカスすると、最近では「朝礼は無駄だ」と思っている人がいたり、検索エンジンでも「朝礼 スピーチ ネタ」等を調べている人も激増していたりと、朝礼に困っている方が多いことも事実のようです。
では、そもそもなぜ朝礼というものは存在するのでしょうか?
日本の93%の企業が朝礼を行っていると言われています。
効果があるとわかっているからこそ、朝礼を導入されているわけですが、今一度その効果や目的を確認して、朝礼を見直すきっかけにしていただければと思います。
まずは、朝礼がもたらす組織や個人にもたらす効果・メリットをまとめてみました。
・始業時間に全員が揃いやすくなる
・社内の重要事項を一度に共有できる
・仕事に対しての前向きな感情を持つことができる
・従業員一人ひとりの役割を再認識できる
・社内のコミュニケーションを促進することができる
・理念・ビジョン等を浸透させやすくできる
・従業員がスピーチ力を身につけることができる
などです。
こう見ると企業にとっては、朝礼はとても効果があるように見えます。
ただ、朝礼にはデメリットがあることも認識しておかなければいけません。
朝礼には以下のようなデメリットの要素も含まれています。
・一定の時間を全員分の確保をしないといけない。(全社員の時間を使う)
・始業後すぐに各自の業務に移れない。
・朝礼で話す内容によっては、ネガティブな感情や誤解が生じる可能性がある
・マンネリ化しやすい
・目的がない、暗い雰囲気の時間になりやすい
・スピーチの準備等の大変さから、不満が生まれやすい
特に「朝礼が無駄だ」と叫ばれがちなのは、「朝礼で話す内容によっては、ネガティブな感情や誤解が生じる可能性がある」点が大きな原因の一つです。
朝礼は、「スピーチをすること」「スピーチを聞くこと」を半強制的に求められてしまう環境だからこそ、話し手側も聞き手側もフラストレーションがたまりやすい特徴を持っています。
そして、よほどの工夫をしない限り、マンネリ化し、形骸化しやすいコンテンツでもあるので目的を明確にして朝礼を行っていかないと、やればやるほど逆効果になる場合もあります。
企業が朝礼を導入する際には、このリスクも踏まえて、意図的に設計をしないといけません。
では、様々なメリットとデメリットがある朝礼ですが、それを企業で行うのにはどんな理由・目的があるのでしょうか?
それは、たった一つ
「全員でいい仕事をするため」です。
もちろん他にも様々な目的はあるかと思います。しかしシンプルにまとめれば、これだけです。
この目的を “全員で”“習慣的”に“お金をかけず”に果たせるのが、朝礼なのです。
一般的には朝礼には以下の3つの役割があります。
(1)情報共有やコミュニケーション促進を図り、「作業の効率」を上げる役割
(2)人としてのあり方や仕事の姿勢などを含めた「社員教育」の役割
(3)愛社精神や向上心を高める「エンゲージメント向上」の役割
世の中の朝礼のほとんどは、この3つのどれか、もしくは複数を組み合わせた役割を担っています。
ちなみに株式会社ソリューションでは、(2)社員教育と(3)エンゲージメント向上を組み合わせて朝礼を設計しております。
ありがたいことに今では「日本一!元気な朝礼」と呼ばれ、多くのメディアに取り上げていただくまでとなりました。
ただし、朝礼はこの3つの役割に分けられるものの、何度も言いますが、目的はただ一つで「全員でいい仕事をするため」です。
どれだけ朝礼の役割が明確で、強く意識できていても、結果的に「全員でいい仕事をするため」という目的に沿えていない朝礼なら、それは会社としては悪影響で、やらない方がいい場合もあります。
大切なことは、あなたの会社にとってどのようにすれば「全員でいい仕事ができるのか?」を考えて、その一つの手法として朝礼を活用するということです。
弊社のような「元気な朝礼」が最も効果的な会社もあれば、毎朝15分間、皆でお茶をしながら、最近の近況報告をして過ごすという朝礼が最適な会社もあります。
その会社に合った「全員でいい仕事をするため」に朝の時間にできることを考えることが、本来の朝礼のあり方なのです。
前提として、朝礼はその会社に合った役割やコンテンツを用意することが重要です。
ただし、弊社も1000社以上の企業と向き合い、2300名以上の弊社に朝礼見学をされた方々にアンケートを頂く中で、成功する朝礼と失敗する朝礼には共通点があることがわかりました。
その内容を一部掲載いたします。
(1)全員が、「なぜこの朝礼をするのか?」を理解している
「この会社ではなぜ、このような朝礼をしているのか?全員の時間を取ってもまでもやる必要があるのか?」を参加者が理解・共感されている会社では、参加者が自発的に「もっと朝礼をよくするには?」と意欲的に参加されています。
(2)司会当番・スピーチ当番は持ち回り
当番が固定化されると、「発表しない」参加者が出てきてしまい、緊張感や参加意欲が下がってしまいます。上手くいっている朝礼は必ず当番を持ち回りで行ったり、全員が必然的に参加できるコンテンツを用意したりしています。
(3)ポジティブな内容・発言が多い
従業員の気持ちが上がったり、朝から効率アップできている会社は、発言がポジティブです。むしろ朝礼を通して、どこかにポジティブな内容はないだろうかと日々探すようになるから、気持ちが自然と上がるのです。
(4)発表後には、全員が拍手
人が嬉しい時は「承認された時」です。反対に一番辛くなるのは「無視された時」です。
一生懸命発表した後に周りからチーンとされたら、発表者は辛くて仕方がありません。お互いの承認し合える文化を朝礼で創ることで、社内も明るくなります。
(5)参加人数が5~10人程度
参加人数が多いと、聞いているふりだったり、あまり参加意欲が高くない人が出てきてしまいます。少なすぎても誰かが休んでしまうと朝礼ができなくなってしまうので、だいたい5~10人ほどで行う方が参加意欲が高く刺激し合える朝礼になりやすいです。
(6)聞く側の聞く姿勢がいい
発表者に対して、きちんと身体を向けて、目を見ながら聞いていたり、話の内容に対して「うんうん」と相槌を打って聞く参加者が多い朝礼ほど、いい朝礼になりやすい傾向があります。理由は単純で、話している人が自信を持って話すことができ、スピーチにストレスを感じにくいからです。結果的に朝礼で、ポジティブで内容の濃い話をされることが多くなります。
逆に失敗する朝礼は、上記の成功する朝礼の逆をしている会社なのですが、特に注意すべきポイントだけお伝えしておきます。
(1)従業員が朝礼の意義や目的に共感できていない
特に問題なのが、経営者や責任者が「こんな朝礼をやってみよう!」と決めたものの、従業員が共感していない場合。こちらは要注意です。すでに“やらされ感”からスタートしているので、まずは「なぜやるのか?」「どんな効果を期待しているのか?」をきちんと話し、共感してもらう流れをきちんと作りましょう。
(2)責任者からはクレームや注意ばかり
クレームの共有はとても大切です。しかし、朝に共有してしまうと、ネガティブな気持ちで1日が始まります。ネガティブな気持ちは、お客様や協力業者様にも簡単に伝播してしまいます。クレーム共有などは、前日のうちに終わらせておいて、翌朝はリフレッシュした状態で仕事を始めてもらった方がよいでしょう。
(3)発表時間を計っていない・守っていない
朝礼参加者からの不満で最も多い声とも言えるのが、「発表の時間が長い」ですが、そういう企業はそもそもタイムキーパーがいない場合が多く、延々と話してしまう傾向にあります。まずはタイムキーパーを決めて、時間を計っていくことが大切です。
(4)参加者の大半が下を向いている
発表者も緊張しながら発表しています。そんな中、全員が下を向いて聞いていたらどうでしょうか?きっと話し手も話すことが嫌になります。朝礼が面白くないのは、話し手にも責任がありますが、その何倍もの責任が“聞き手”にあるのです。まずは、聞き手の方から発表者が話しやすい聞き方をしていくように心がけてみましょう。
株式会社ソリューションでは、「元気朝礼」を実施しております。会社には社風があり、それぞれの合った朝礼があります。
弊社では弊社の社風に合わせて、13年前より「元気朝礼」を始め、現在では約2300名の経営者・経営幹部の方々に見学していただいております。
ぜひ、一度そのエッセンスをご覧いただければ幸いです。
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