社員が社内ツールを活用できない・・・
2023/01/10
今の社内は、いい人ばかりで、ようやく、「うちもここまできたか」と言えるほど、社内の雰囲気はよいと思います。
頑張っていない社員はいません。
ただ、プラス思考で物事を考えすぎるのか・・・マイナスなことを言えないのか・・・「それいいね!」という空気で会議が終わります。
たまには、マイナスなことを言ったりしてもいいと思いますし、具体的に考えた方がいいとも思っていますが、社員が頑張っていないわけでもないので、自分(=社長)が言うのもなぁと考えてしまいます。
どうしたらよいでしょうか?(滋賀県 経営者 業種:小売 従業員数:30名)
(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)
A.まずは、「否定」と「批判」の違いを伝えてみてください。
ご質問頂きありがとうございます。東京拠点の濱川です。
意見が全く出ないという会社様も多いですし、会議=社長の独壇場となってしまうことも多いかと思いますので、よい雰囲気の中で会議が行なわれているということは、素晴らしいことですね。
会議は目的ごと、いくつかに分類されるかと思いますが、日常的に行なわれる代表的な会議としては、大きく3つあるかと思います。
(1)報告会義(情報共有が目的)
(2)アイディア出し会議(フラットに意見を抽出する会議)
(3)問題解決会議(議題に挙がっている問題を解決する会議)
上記のうち(1)と(2)について、よい雰囲気づくりを重視することは、会議の目的から見てもとても大切なことだと思います。
今回、あなたが懸念されていらっしゃるのは、(3)の問題解決会議の時ではないかと思います。
そして、あなたが望む状態を作ろうと思えば、まずはあなたが使う言葉を見直してみた方がいいかもしれません。
想像するに、これまでの期間「プラス思考でいこう!」「プラスの発言をしよう!」といったことを、根気よく皆さんに働きかけてこられたからこその、今のよい雰囲気なのだと思いますが、同時に「マイナスな思考や発言を禁止する」ような雰囲気も作られてしまったのかなと思います。
会議でいうと、その“マイナス”に値することとしては、「否定的な言葉」「批判的な意見」があると思います。
多くの場合には、「否定」と「批判」は、混在されて使われてしまいがちですが、「否定」と「批判」の違いは、「感情的」か「理論的」かであり、「否定」には明確な根拠を必要としないと言われています。
一方で、「批判」とは、ある物事において相手に通ずるような根拠ある理由を示すことであり、単に感情に任せた言動ではありません。
あなたが会議において望むことは、「批判的」な意見があってもいいのではないか?ということですよね。
もしかしたら、皆様にとっては、批判的な意見というものにおいても、「マイナス」なものとして括られてしまっているのかもしれません。
会議は1人ではたどりつけない【解】をみんなで導くための場であると思います。
そのため、【批判的】な意見がなければ、活性化もしないと思いますし、リスクを考えることもないと思いますので、会議で導き出せる解も限られてしまうかと思います。
今、その意見が出ない要因は、「マイナス」を言ってはいけないという「皆様の配慮」からくるものなのか、「思考力」からくることなのか、要因は大きく2つあると思います。
ただ、今回の場合においては、ご質問文から想像するに、要因は恐らく前者であると思いますので、まずは、「否定」と「批判」の違いを伝えるところから始められてみてはいかがでしょうか?
ただの否定はあなたが言う「マイナス」かもしれませんが、批判的な意見はとても重要だということを伝えられてみてください。
いきなり社員様同士で行なうことが難しそうであれば、まずはあなたが問題に対する解決策を提示してみて、この解決策をさらに上回るものを、皆様に考えてもらうような場を作ってみられるのはいかがでしょうか?
より上回るものを考えようとする中で、自然と、いい形であなたが提示した解決策に対する批判的思考が、巡らされるのではないかと思います。
また「いいね!」というような言葉が飛び交う場は、とても素敵だと思いますので、会議の内容をより具体的にしていく上でも、
「いいね!」の後には「なんで」という理由もセットで言うことを約束事にすると「いいね!」という共感においても、雰囲気やノリで言っているのか、自らの考えや意思があるのかが見えてくるかと思います。
雰囲気がよくなるということは、会議における相手への配慮があるということで、素晴らしいことだと思います。
更なる成長を目指すという意味で、是非チャレンジされてみてくださいね。
統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)
2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。
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