社員が社内ツールを活用できない・・・
2023/01/10
新入社員の育成について考えています。
入社して1カ月間は業務内容・ビジネスマナーの研修を行なっています。
その後5カ月間は、とりあえず1人で現場に行ってもらい、実践を積んでもらっています。
売上を上げられる子は、半年で数字を上げられるようになってくるのですが、上げられない子は、結果を残すどころか、大クレームを持って帰ってきます。
もともとの人としての能力の違いもあると思いますが、会社として、もっと平等に結果を残せるような
体制をつくっていきたいと思っています。
しかし、指導をしているリーダーや店長は、能力のせいにしてばかりで、彼らを選んで採用をしている私に矢印を向けてきます。
どうしたら、新入社員が平等に結果を残せる組織をつくれるのでしょうか。
(京都府 経営者 業種:リフォーム 従業員数:28名)
(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)
A.ともに「振り返る」ということをしてみてください。
ご質問頂きまして、ありがとうございます。
本日は、東京拠点の濱川が回答させていただきます。
1カ月間を研修にあてて、初期教育を行なっていらっしゃるということで、そこに時間を使われていらっしゃることは、素晴らしいですね!
私にも社会人1年目だったときがありますが、新入社員の場合、早めに結果を出させてあげることは、とても大切だと思います。
確か、私が初めて大型のご契約を頂けたのは、同期の中でもあまり早くはなく、1年目の夏から秋にかけてだったので、日々、焦りや苛立ちがあった気がします。
ただ、私は、焦りや苛立ちで済みましたが、新入社員様の成長実感や成功体験をするまでの時間がかかり過ぎると、離職問題にも発展してしまうかと思いますので、しっかり手を打っていきましょう。
さて、今回のご質問に関して、貴社の課題として感じたのは、
最初は1ヶ月の研修をするものの、現場に出てからは「やらせっぱなし」にしてしまっているのではないかということです。
新入社員様の中には、現場に出てからの業務を感覚でできる方もいらっしゃると思いますが、
それであれば、誰が上司であっても、「できる子はできる」ということになります。
あなたが言うように、リーダーや店長が人によって、成長に差があることを、新人の能力の「せい」にしているのであれば、
それは「私(リーダー・店長)には育成の能力がありません」
と言っていることと、ほぼ同じかと思います。
恐らく、貴社としては、初期教育の1カ月で、教えるべきMUST事項は「教えた」ことになるのだと思います。
そして、その後は「とりあえず1人で現場に行ってもらう」とのことでしたので、まずは「実践してみろ!」という育成の方針なのだと思いますが、
想像するに、実践期間では「実践してみろ!」と言うだけで、リーダーや店長の方は、部下とともに「振り返る」ということさえしていらっしゃらないのかなと思います。
私が、後輩に対して、彼らの育成のために、ずっと継続しているのは、ともに「振り返る」ことです。
これは私自身が入社当時、上司にやってもらったことでもあります。
例えば、1件の営業のアポイントに行くときには、事前に、
企業調査をし(お時間を頂く上で、お客様にとって有意義な時間にするためにも、礼儀としても必須!)
企業調査をもとに、訪問当日の流れを考え、上司に相談してアドバイスをもらい、訪問前には数回ロープレをしてもらいました。
つまり、訪問前の段階で、上司には何度も訪問の準備を見てもらい、アドバイスをもらっていました。
ただ、それだけでは終わらず、その訪問の後には必ず、
アポイントがどんな内容で、どういった展開になったのかを共有した後、上司と一緒に、そのアポイントを振り返り、良かった点と、改善点を出し、次に向けた挑戦事項を明確にするということをしてもらっておりました。
上司として後輩に関わることが多くなった今でも、後輩の育成の仕方は、基本的に、自分が上司にしてもらっていたことと大きくは変わっておりません。
何かを教えるということにおいては、現場に出て、背中でやってみせるシーンもあれば(上司に対する信頼や成功パターンを知るという効果)
特に口を出さずに、後輩がやっているところを見守るシーンもあります。(実際どの程度できるのか、今の力量を上司側が知る)
ただ、それだけでは、育成スピードは上がりません。
その後に、ともに「振り返る」中で、何で上手くいったのか、何で上手くいかなかったのかを考え、彼・彼女たちの中に、上手くいった理由、上手くいかなかった理由を、なんとなくではなく、腑に落ちる状態を作ることを上司側が支援することが重要です。
仕事を「やりっぱなし」にせず、「振り返る」ことで、彼・彼女たちの中に、上手くいった理由、上手くいかなかった理由が明確にわかった状態を作ることができれば、
仕事の基本となる、自ら仕事を改善していく力や、その姿勢を身につけさせることができます。
また、この基礎的な力が身に付くからこそ、成長し、結果も残せるようになっていくのだと思います。
いかがでしょうか?
リーダーや店長もきっと悩まれているのだと思います。
ぜひ、「成長させろ!」「育成をもっと頑張れ!」ではなく、いま、お伝えしたようなことを「一緒にやってみたら?」というアドバイスをしてみてください。
また、採用の「せい」にされるということであれば、採用活動自体にもリーダーや店長に関わっていただき、育成計画等を一緒に作るというのも、1つの手だと思います。
こちらに関しては、また別の機会に詳しくお伝えできればと思いますが、実際はどれだけ計画を立てようが、「やらせっぱなし」の現状を変えなければ、新入社員様の育成に関して、改善はないかと思いますので、
まずは、あなたがリーダーや店長に関わり、アドバイスをしてみてくださいね。
統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)
2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。
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