社員が社内ツールを活用できない・・・
2023/01/10
数年前から、定期的に自己啓発系のモチベーションアップ研修といった場へ社員を派遣しています。
以前に比べれば、そのおかげで社員のやる気は上がっているように感じます。
一方で、社員が研修慣れなのか、パフォーマンスみたいな上辺でやっているような節も、チラホラ見えてきている気がしています。
研修の受け答えばかりが上手くなって、本当に大切なことに気づいているのかと心配になったり、業務に活かすということはできていないと思ったりもします。
少しずつ、効果を感じない状態が続いてしまっているので、こういう場合は、もう研修に行かせない方がいいのでしょうか?
(東京都 経営幹部 従業員数:約120名 業種:システム開発)
(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)
いつもメルマガをお読みいただき、ありがとうございます。
この度は、私、長友威一郎がお伝えできればと思います。
ご投稿いただき、誠にありがとうございます。
世の中に自己啓発系やモチベーションアップ系の研修は、本当にたくさんあります。
私も個人的な興味や自己成長のために、さまざまな研修に参加してきました。
ただ、やはり研修は非日常的な空間や体験になりがちなので、一時的にやる気を高めることや意識を変えることは可能ですが、研修終了後は現実に戻ってしまうことでしょう。
きっと、一時的に高まった意識を継続することや、結局は社内で実践することができなかった・・・という経験をお持ちの方は、おそらく私だけではないと思います。
ちなみに、確認なのですが、あなたは、今取り組まれている研修に
なぜ、社員の方々を参加させようと思われたのでしょうか?
そして、社員さんにとって、その研修の参加目的は何なのでしょうか?
「全体的な士気を上げていこう」という考えは感じることができますが、研修というもので成果を得るためには、具体的な目的を設定し、きちんと社員へ伝えることが重要です。
仮に全く一緒の研修だったとしても、目的をきちんと設定されているかどうかで、社員の参加姿勢は全く異なるからです。
そして、もう1つ。
研修で得てほしい成果の指標は何があるでしょうか?
もし得てほしい成果が「やる気になる!」「モチベーションが上がる!」などといった感覚的なものになっているとしたら、これは危険であると捉えてください。
測れない成果を求め、なんとなくの効果を期待してまうと、結果的に「結局、何が良かったのか?」と研修に参加した意味すら曖昧になってしまう傾向があります。
得てほしい成果や効果は測れるものであることが前提の上で、きとんと指標を作成し、その指標によって判断していくことが重要です。
さて、ここまでは研修に参加させる“前”に注意すべきポイントをお伝えしましたが、ここからは質問にお答えしますね!
今回「研修慣れによるパフォーマンスや上辺でやっているように感じる」とおっしゃるということは、あなたにとって、今の状況が社員さんに得てほしかった成果とは違う状況である、ということですね。
一方で、言い換えるなら、上辺でできるくらいのやる気や能力を持っている社員の方々が、いらっしゃるということではないでしょうか?
このような方がいらっしゃることは、大変素晴らしいことです。
ただし、その社員の力を発揮できる“場”が現在の組織にあれば・・・と考えてしまいます。
その力が、上辺だけで完結してしまっているのだとしたら、むしろ「その方々の力が発揮できない“何か”が組織にある」と観点を変えて、考えてみることも必要だと思います。
では、効果を感じないからといって、今後も社員を研修に行かせた方がいいのか? 行かせない方がいいのか? こちらの答えは、もちろん貴社の状況によります。
ちなみに『今後、研修に行かせないことによって、何か「弊害」は生まれそうでしょうか?』という問いかけを受けたら、どうお答えになるでしょうか?
もし「んーーー」と、あなたが即答できないのであれば、恐らく、研修に参加させなくてもよいと思います。
「弊害はある!」と感じているのであれば、その弊害と思われていることを「別の何かで補うことはできないか」を考えてみてください。
その上で、今の研修を続けることが必須だとお思いであれば、きっとその研修の活用が、貴社にとって今必要なことでしょう。
その場合は、重複にもなりますが、以下の4点に気をつけてみてください。
(1)『研修に派遣する目的と、得てほしい成果を明確にする』
目的や得てほしい成果を明確にすることで、派遣する側も、される側もお互いに共通の目的を持つことができます。
(2)『研修に派遣する社員と研修までに個別面談をする』
その面談の際に、研修に派遣する目的と得てほしい成果、そして、その社員個人へ期待することなどを伝えてください。それにより研修への参加姿勢が大きく変わります。
(3)『研修後に再度、個別面談をする』
研修後、社員は研修で学んだこと・気づいたことで溢れていると思います。
そのため、しっかりと話を聴いてあげてください。
面談と言いつつも、ここは社員の考えや想いを聴くことに専念することが重要です。
そして、社内でどのようなアクションをしていくかの約束をする時間も設けてください。
(4)『研修後3ヶ月間、毎月最低1度は面談する』
約束したアクションの進捗を確認する時間を設けることが、非常に重要です。
この場では、継続できているかの確認も大切ですが、約束したアクションが「組織に対して良い変化を生み出すものかどうか」を一緒に検証してあげることが大切です。(あまり効果を感じないことこそ、継続が難しいからです)
研修にご派遣される場合は、ぜひ、この4項目を実施してみてください。
研修と呼ばれるモノはたくさんありますが、正直「○○研修を受講すれば、確実に成長する!」という答えはありません。
だからこそ『研修に派遣する・派遣させない』を決める前に、あなたが社員に研修を参加してもらう【目的】とその方々の【成長した姿】が明確になっているかどうかを確認してみてはいかがでしょうか?
きっと、何か大切なモノが再確認できると思います。
それでも上手くいかないという場合は、またご連絡ください!
代表取締役 組織人事コンサルタント長友 威一郎(ながとも いいちろう)
大学卒業後、富裕層マーケティング会社最大手に入社。
6年間の営業活動を通じて多くの経営者と出会う。2006年、顧客の1人であった現CONYJAPAN代表の小西から新会社立ち上げの参画要請を受け、経営者の経営サポートを本業にすべく、株式会社ソリューションに入社。
採用コンサルティング、経営コンサルティングを通じて顧客の信頼を積み重ねる。初期教育を強めることで、未経験者である新卒社員や第二新卒社員をリーダーへと変えるマネジメント力には定評がある。採用と育成の両輪を回して会社を強くするスタイルで多くの企業発展に貢献している。
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