④ゆとり社員が育つ組織づくり編_濱川さん編

Q.新卒1期生が全滅しそうです。どうしたらいいのでしょうか?

新卒採用を始めて4年目になるのですが、ここ最近になって、採用した1期生たちが突然辞め始めました。

これまで1期生たちはよく頑張ってくれていました。誰1人辞めることがないばかりか、社員たちに刺激を与えるような、社内への取り組みに対しても私と一緒に動いてくれていました。

そのおかげで、新卒を採ってよかったと思い始めていたのですが、去年の8月に1人目の1期生が辞表を出してきました。

彼は元々別の仕事に興味があった中で「うちで修行してみないか」と私が口説き落とした者なので、まだ早いとは思いながら、約束した3年が過ぎたため、仕方がないと思っていました。

しかし、その後1ヶ月ごとに他の1期生からも辞表が出るようになり、4人いた彼らも、今は1人しか残っていません。しかも、その者も辞めそうな気配があり、必死で私が、面談しています。

話を聞いても「時期が来ただけです。」と言われるばかりで、理由がわかりません。

どうやら、彼ら同士でのSNSのグループがあるようで、そこで何かを話されているらしいのですが、それも最後の1人に良い影響を与えていないのではないかと思っています。

最後の1人を残すためにも、私はどのようなことを彼に伝えたら、振り向いてもらえるでしょうか?

(大阪府 経営者 業種:製造業 従業員数:65名)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.引き留めたい社員様に対するご自身の姿勢を見直してみてください。

 

いつもメルマガをお読みいただきましてありがとうございます。
東京拠点の濱川が回答させていただきます。

 

離職というのはどんなご状況であれ、心をざわつかせることだと思いますし、思い入れが特に深いであろう1期生の皆さまということであれば、ショックも相当大きいかと思います。

 

私自身もこれまで何度となく「辞めたい」という言葉を口にしたことはありましたが、多くは「逃げたい」の感情表現であったかと思います。

 

ただ今回の1期生の皆さんと同じように、3年目が終わる4年目になる直前は、本気で「辞めよう」と思ったタイミングがありました。

 

というのも、私の働く上での目標が「3年は辞めない」というものだったからです。

 

それ以外の目標設定は見つかっておらず、とにかく3年はどんなに辛くても辞めないということだけは決めていました。

 

1期生の皆さまとは少し違うかもしれませんが、働く上での期限を設定していたということでは共通するかと思いますので、ご参考になればと思います。

 

 

では、なぜ今もこうしてここで働いているかですが、それは上司の存在が大きかったと思っています。

 

というのも上司が「私以上に、私の成長と未来を考えてくれていた」ということに気づいたからです。

退職について相談した面談も「私のため」の時間だったと記憶しています。

 

退職の相談をするような場は往々にして、辞めさせたくない側は「会社にとって」の話ばかりし、本人を説得する定番文句としては、「まだまだできることがある」「他社では通用しない」というようなことを伝える場になっているのではないでしょうか。

 

「辞める」ことを目的にする人と、「辞めさせない」ことを目的にする人との話し合いでは、終始、互いに「いかに辞めるか(辞めさせないか)」を主張し合うだけになってしまうかと思います。

 

ここで大切なことは、「本人の今後の成長と未来」を共通項として、話し合いをすること。

 

そして、その後に会社として目指している成長との【接点】を見つけられるかどうかが大切なポイントではないかと思います。

 

その社員様が望む成長はどんなものなのか、今は何ができるようになり、何が足りていないのか、そして、何にチャレンジしていく必要があるのか。

まずはここを、じっくり話し合うことが大切だと思います。

 

この場においては、建設的に未来についての話をするからこそ、面談に臨むあなた自身のスタンスがとても重要になります。

 

【離職を食い止める】の前に【本人にとっての成長を共に考える時間にする】ということです。

 

それが結果、離職を食い止めるということに繋がるのだと思います。

 

話し合いをする中で、成長における本人の自分自身に対する評価や考えと、こちら側のその社員様に対する評価が違う場合もあるでしょう。

 

また、話に一貫性がない場合は、ただただ「逃げたい」時期として「辞めたい」と言っていることも考えられます。

 

ちなみに、1期生の皆さまがSNSで共有されている内容については、私はあまり重要ではないかと思います。

 

ご自身の面談のスタンスを見直す点があれば、見直していただければと思いますし、彼ら(彼女ら)の成長を本気で考えているということが伝われば、きっと口を開いてくれることがあると思います。

 

 

ぜひ、何を言うか、どう引き留めるかの前に、「その社員様に対してのご自身の姿勢はどうか?」を一度見つめ直してみてくださいね。

 

そこから始まる面談は、これまでとは少し違った形になると思います。

 

ただし、残念ながらこういった面談は退職を決断しているタイミングであれば、あまり効果が出ないケースが多いのも現実です。

 

ポイントは【迷っている】タイミングで行なうことができるかどうかです。

 

その方が退職を決断される前に、ぜひ「この先どうなりたいか?」を共に考える時間を取ってみてください。

 

統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)

2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。

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