社員が社内ツールを活用できない・・・
2023/01/10
この3年間、人材育成に時間と資金を投資してきました。
社員を研修に行かせたり、経営会議に参加させるなどといった機会を与えてきました。
社内の雰囲気は確かに良くなりましたし、会社のことを自分事のように捉えてくれる社員も複数人できて、確実に人が育っている印象はあります。
しかし、売上・利益はいっこうに変わりません。
私の業務もいつまでも忙しいです。「本当にやる気をアップさせると、売上アップできるのか?」と疑問に思っています。
最近、仲良しごっこ感が増えてきた印象も受けるので、どのタイミングから、人のやる気は売上につながってくるのでしょうか?
そろそろ、やる気よりも管理体制といった仕組みをつくった方が早いのでは?と考えています。
(東京都 経営者 従業員数:約20名 業種:建設業)
(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)
こんにちは、東京拠点の濱川です。
いつも、メルマガをお読みいただき、ありがとうございます。
冒頭からいきなりではありますが、今回のご質問に対する私の見解をお伝えさせていただきますね。
社員の「やる気がアップすること」と「売上がアップすること」は、直結しません。
売上(結果)と直結するのは“行動”だからです。
その行動の【質】を高めるための1つの要素として『やる気』というものがあるだけです。
わかりやすくするために、身近な例で置き換えて考えてみましょう。
結果を出せていない部下が、毎回月末に「次は頑張ります!」と言っていたら・・・あなたは、何と伝えますか?
ちなみに私は「頑張らなくていいから、何をやるの?」と聞いてしまいます(笑)
これは極端に書きましたが、この「頑張ります!」等の“やる気だけ”が示される時は、多くの場合、『思考停止状態』になっており、
結果に繋がる適切な行動を、きちんとわかっていないケースがよくあります。※全てではありませんが。
本人の「頑張りたい!」という気持ち(やる気)は、もちろん嘘ではないかと思います。
しかし、『何を』『どのようにしていくか』まで落とし込めていないのであれば、ただ、心身が疲弊していくだけです。
たとえば、結果が出ていない部下を持つ上司であれば、部下が日々どんな行動をとり、どこに結果に繋がらないロスが生まれているのか等のプロセスを聴いたりしませんか?
そして次の1カ月は「頑張ります!」ではなく、ヒアリングから仮説を立て、一緒に適切な行動目標を立てたりしないでしょうか?
売上という結果だけを掲げ、意識改革を求めるのはナンセンスです。
今、貴社で起こっていることは、『やる気だけ』を超えた、『次のステップへの移行期』かと思います。
組織において、結果を出すまでにはステップがあると言われています。
【関係の質】⇒【思考の質】⇒【行動の質】⇒【結果の質】
恐らく、あなたの会社はこの3年を通じて、社内の【関係の質】が向上させられたのだと思います。
そして、質問に書かれているような「会社のことを自分事に捉えられる社員の皆様へと変化された」ということは、まさに『思考の質の向上』までできた、ということでしょう。
これが、あなたが3年間で人材育成に時間とお金を投資したことによる成果です。
そしてここからが、貴社が新たに挑戦していくことですね。
結果を出していく上で、次なる【行動の質】を高めるために必要な、もう1つの要素に取り組むことが重要です。
それが『適切な行動目標』の設定です。
具体的に「何をする」がなければ、行動の質を高めることはなかなかできません。そして、良い結果も生まれません。
今まで貴社は、社員様の【思考の質】までを上げてきたからこそ、やる気のある社員様が多いのだと思います。
次は、その社員様の【行動の質】を上げるために、行動目標をきちんと設定できているかということを見直す時期です。
ポイントは【行動の質】を高める時期だという認識を、あなた自身がまず持つことだと思います。
これまでがダメだったというわけではありません。
これまでがあったから、ようやく今、新たな組織のステージを迎えられていると思ってください。
そしてまずは、社内にどのような行動目標が存在しているのかを確認してみてください。
1番は、社員さんに「何が行動目標だと思っている?」と聴いてみると、わかりやすいと思います。
もし、新たに設定しなければいけない場合は、ぜひ再度ご相談ください。
その時は、一緒に適切な行動目標をつくっていきましょう。
この度も投稿していただき、ありがとうございました!
統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)
2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。
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