⑥後継社長に信頼が集まる組織づくり編_濱川さん編

Q.会長のトップダウンのおかげで社員が成長しません・・・

先代の社長は圧倒的なトップダウンでした。

口よりも先に手が出るようなタイプで、会社をずっと引っ張ってきたのですが、つい最近、私が代表を継いでからも、心配なのか、先代の社長(現会長)はいつも会社にいて、私がやる行動等もすべて見てきます。

社員は、社長の言うことを聞いて育ってきた人たちばかりなので、自分で考えて動くということが、できません。そのため、業績自体は順調なのですが、人の成長が追いつきません。

どうしたら、社員が自立し、自ら考えて、動くことができるような社風をつくっていけるのでしょうか?

(群馬県 経営者 業種:製造業 従業員数:38名)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.社員様が安心感を感じられるようにすることが第一です。

 

メルマガへのご質問、誠にありがとうございます。
ソリューション東京拠点の濱川です。

 

後継経営者様のお悩みにおいて、【会長】という存在は、切っても切れない、特別なものであると常々感じております。

 

これまでも、多くの企業様にお伺いさせていただいたのですが、社員様が働くフロアに会長席があり、社員様が見張られるような形で、仕事をされていらっしゃる企業様や、朝礼での社長発表の後に、社長の発表を覆すような会長発表が10分以上続く企業様、社長様と応接室にて商談をしていたところ、突然、会長様がまるで乱入するような形で入ってこられて、同席される企業様等・・・

 

 

よく後継経営者様が口にされる「うちの会長のトップダウンに困っている・・・」というお悩みの現場に、実際に居合わせてみると、想像以上の会長様の【影響力】や【勢い】に圧倒されてしまうことがしばしばあります。

 

会長様ご自身は、とても素敵なお人柄で、人情深い方が多いのですが、その行動や言葉から、良くも悪くも、ご本人が認識されていない組織への影響は大きいように感じます。

 

 

これまでトップダウンだったとのことですが、

 

それは、逆に言えば、言われたことに関しては、確実に行なってこられたということだと思います。

 

 

そのため、「自ら考える」ということにおいては、できないと言うよりも、まだその経験が少なく、慣れていないだけであり、これから養うことができるはずだと考えております。

 

 

更に、会長は手を出されることがあったということから、皆様に植えつけられていた感情としては、

 

「下手なことをすると、殴られる!」という恐怖が大きく、「言われたことをやる」ことが、最も得する選択であり、正しいことだと認識されていらっしゃるかもしれません。

 

 

あなたが思っている以上に、社員様にとって自ら発言したり、行動を起こすということには、相当の不安があるはずです。

 

 

そのため、あなたが理想とする「社員が自立し、自ら考えて、動くことができるような社風」へ変化を遂げようとするならば、

 

まずは社員様が、発言することや行動することに対して【安心感】が持てる環境を作ることが第一です。

 

 

「言ってもいいんだ!」「やってもいいんだ!」と思ってもらえるようにすることがスタートだと思います。

 

 

例えば「○○さんの観点がほしいんだけど、どう思う?」等、あなたとは違う、別の視点、助言や意見を尋ねる機会を持つことや、

 

言うべきことを言っても自分の評価が下がらない、むしろ、よりよくするためなら自分の意見が期待されているという正しい認識を持っていただくこと等、すぐにでも始められるものはあるかと思います。

 

 

ただ、気をつけていただきたいことは、意見を言わない方に対して、追いつめるような聞き方、質問の仕方をしてしまうことです。

 

特に、気をつけていただきたいワードは


「なんで?」です。

 

 

実は、私自身が昔、後輩に「桃さん(私の愛称)の『なんで?』という質問は、自分の考えが否定されているように感じて、頭が真っ白になる」と言われたことがあります(笑)

 

 

言い方の問題だったのかもしれませんが、私としては、意見をより深く聴きたいという意図以外に、含みは一切なかったのですが、私の「なんで?」という質問は、私が考えている以上に、後輩を追い詰めていたようです。

 

 

意見を言わない社員様の側としては、自分の考えに対する不安が大きく、相手の反応を恐れているという可能性が高いわけですから、その社員様が「答えやすいか否か」を考えて、問いかけをすることがポイントかと思います。

 

 

例えば、いきなり「どう思う?」というような、ざっくりした大きな質問よりは、

 

まずは、イエスかノーで答えられるような小さな質問、具体的には「○○さんはこの件に関しては、賛成?反対?」等、答えやすい質問から始めてみられてはいかがかなと思います。

 

 

そして、その後に大切なことは、出てきた意見を否定せず、まずは、意見を出してもらえたことに対して、その方がさらに意見を言いたくなるようなコメントをしたり、感想を伝えたりすることです。

 

 

会社の風土というものは、人の身体に例えると分かりやすいですが、

 

薬を飲んで即効で変わるというよりも、日頃の食生活や運動の習慣、また漢方など、日々の習慣を変える中でゆるやかに、しかし確実に変わっていくものかと思います。

 

 

まずは今すぐにできることから始められてみてくださいね。

 

ぜひ、本来持たれている社員様1人1人の良さを引き出すことに注力してください!

 

統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)

2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。

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