⑥後継社長に信頼が集まる組織づくり編_長友さん編

Q.先代の求心力に敵わない

先代から会社を継いで3年程になりますが、先代は勢いのある人で、何か指示をするにもアバウトでしたが、それでも人を率いる力のある人でした。私自身、その先代に惹かれていましたし、先代を中心にまとまりのある弊社に対して誇りを持っておりました。

ただ、私が会社を継ぐ少し前から事情があり、数名の幹部クラスの人間が退職し、新しい人材の採用をし始めました。

その頃から、あの時のまとまりのようなものが少しずつなくなってきている気がしています。

売上には、今のところさほど影響はないのですが、勢いというか、先代がいた頃の雰囲気とは変わっていることは間違いありません。

とはいえ、新しい社員もきちんと仕事をしてくれてはいるので、こちらに投稿するほどのことではないのかもしれませんが、私としてはあの頃のまとまりを取り戻したいと思っています。

何かアドバイスのようなものがあれば、お願いいたします。

 

(東京都 代表取締役 業種:運送 従業員数:42名)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.まずは、あなた自身の原点を思い出す時間をとってください。

 

ご投稿いただき、誠にありがとうございます。この度は、私長友威一郎がお伝えさせていただきます。

 

ご投稿いただいた文面を拝見させていただくと、以前、私も、同じような経験をし、悩んだことを思い出しました。

 

少し、私のお話をさせていただきます。

 

弊社は、創業者である小西正行(現CONYJAPAN代表)と私で2006年1月に設立させていただきました。創業期は、小西も現場で共にクライアント様開拓やご支援をしていたのですが、当時は、創業期ならではの仕事ぶりや仲間意識が強く、多少、無茶なことでも全員で考え、
深夜になるまで、会社の未来について議論していました。

 

 

夢を語り、自らの可能性や会社の可能性を信じながら悪戦苦闘していた当時の日々は、体力的に厳しく、苦しい時が多かったですが、気持ちと心は満たされていた時期でもありました。

 

ただ、2008年のリーマンショック後、2009年から小西は現場から一切離れ、ソリューションという会社自体を、私ともう1人の事業責任者に、ほぼ全て任されました。

 

もちろん、リーマンショックという外部環境の影響もありましたが、カリスマ性を持っている創業者が抜けることで、大きく変わったのは、「社員の気持ち」でした。

 

 

今までと何も変わりなく、朝勉強会、朝礼、打合せ、同行訪問等、1日中社員と関わっていましたが、なんとも言葉にしづらいのですが、社員の反応が変わり、何をしても手応えが掴めませんでした。

その時期に、貴方様と同じような感覚になり、自らが指揮をし出すと、社員の反応に何か物足りなさを感じていました。

 

ただ、私の場合は、時間が止まって、落ち着いて考える時間があれば良かったのですが、外部環境の悪化もあり、目の前のことに必死で、完全に視野が狭くなっていたことも重なり、手を打つことができませんでした。

 

 

結果的に、社員の離職も相次ぐ結果となり、私が感じていた違和感を、社員自身も感じていたようで「あの頃の方が、仕事が楽しかったです」という退職面談での言葉が、今でも心に残っています。

 

 

創業者の小西は、共に創業しましたので尊敬しており、人生の師匠でもあり、さまざま経験をさせていただいているので、感謝もしております。しかし、小西と同じようなことをしても、私は小西になれないですし考え方も違います。

私は当時、自分で考えたことではなく、小西と同じようなことをして、同じようなことを伝えていた自分に気づきました。

 

 

少し長くなりましたが、上記のような経験をしたからこそ、その後に私が実施したことは、改めて

 

 

・自らが弊社で働く目的や意味は何か・成し遂げたいことは何か・社員にどのようになって欲しいか・クライアント様にどのような価値を提供したいか

 

 

という、仕事における原点を思い出し、整理をする時間をとりました。

 

1人で考えたり、時には同僚や全く違う第三者の方にも話を聴いてもらったりしながら、自らを見つめ直す時間を取らせていただきました。そこで、この仕事における原点や、この仕事にかける想いを再確認でき、それを社員に正直に伝え、私自身の自己開示をさせていただきました。そこからは、ほんの少しずつではありますが、会社が変わり、考えに共感を得られたところから、組織が動き出しました。

 

 

貴方様も先代の方に対して、魅力を感じていたのと同じように、社員様も先代の方に魅力を感じていらっしゃるのだと思います。

 

その共通点を更にブラッシュアップし、今、経営者である貴方様の会社として、会社を活性化させ、元気にしていくためにもまずは貴方様の原点を思い出す時間を取ってみてはいかがでしょうか?

 

きっと、先代の大切な考えや心を持っている貴方様なら、先代と違うカタチで貴方様が作りたい会社の魅力や強みを社員様に伝えることができます。そして、社員様も先代とは違う、貴方様の魅力を感じてくれるはずです。

 

 

是非、自分自身を見つめ直す時間を取ってみて下さい。必ず未来が拓けます!!私も同じことで悩みましたので、多少なりともご相談に乗れると思いますので、何かご相談があれば、個別でも構いませんので、ご連絡をいただければと願います。

 

 

代表取締役 組織人事コンサルタント長友 威一郎(ながとも いいちろう)

大学卒業後、富裕層マーケティング会社最大手に入社。
6年間の営業活動を通じて多くの経営者と出会う。2006年、顧客の1人であった現CONYJAPAN代表の小西から新会社立ち上げの参画要請を受け、経営者の経営サポートを本業にすべく、株式会社ソリューションに入社。
採用コンサルティング、経営コンサルティングを通じて顧客の信頼を積み重ねる。 初期教育を強めることで、未経験者である新卒社員や第二新卒社員をリーダーへと変えるマネジメント力には定評がある。採用と育成の両輪を回して会社を強くするスタイルで多くの企業発展に貢献している。

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