①実行力を生む組織づくり編_長友さん編

Q.売上重視で品質が下がってきている会社をどう変えていけばいいのでしょうか?

弊社は平成元年創業で、主に医療関連品の製造を行なっております。
会長、社長の下、4名の管理職(課長)がおり、私はその管理職の中の1人です。

会長は創業者で、社長は1年ほど前に社長に就任しました。
私は、勤続13年で4名いる管理職で一番の勤務年数ですが、今年から管理職を任されました。

現在、私が抱えている悩みは『会社の未来』がイメージできないことです。

売上だけを見ると、順調に成長しているように見えるのですが、職種柄、法的規制も多く、品質関連部門を任されていることもあり、会社として取り組みの『甘い』部分が目につきます。特に、経営陣は売上アップを求め、事業拡大を押し進めているのですが、品質面の取り組みが追い付かず、製造>品質の構図が続いております。

私は、取り組みの『甘さ』が原因で、積み上げてきたお客様からの信頼が一瞬で崩れるリスクを感じ、何度か現社長(当時部長)に直接話をしてきましたが、具体的な変化はありませんでした。

現社長が社長職に就任してからも、状況は悪くなる一方でしたので、継続して社長に話はしておりますが、『皆で協力して何とか乗り切ろう』の一点張りです。

私一人の力では現状を打破することは難しいと感じ、他の管理職にも声を掛けて、経営陣に訴えかけようとしたのですが、既に業務を拡大しすぎたことで、将来を考える時間も無く、足並みが揃いません。

現在は何とか『お客様に迷惑は掛けられない』という思いのみで、緊張の糸を保っている状態ですが、次第に諦めの感情が強くなってきており、転職の文字も頭によぎり始めました。

できることなら、売上だけでなく、社会的信頼を維持し続ける会社にしたいと思っております。

色々と試みたつもりですが、未来をイメージできる会社にするために、私が見落としている手段がありましたらご教示願います。

(愛媛県 管理職 業種:医療関連品の製造 従業員数:約100名)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.まずは、他の管理職の方々と互いの考えを伝え合う場を設けてください。

 

いつもメルマガをお読みいただきまして、ありがとうございます。
この度は、私長友威一郎がお伝えさせていただきます。

 

管理職の方からこのようなご相談が来るたびに、会社のことを真剣に考えて、様々な取組みを実行されている管理職の方々がいらっしゃる会社は、未来が明るいと私は感じます。

 

経営者に直接、自らの考えを打診したり、同じ管理職メンバーに声を掛け、経営陣に訴える動きをしたりと、あなたの責任感の強さが文面から伝わってきますね。

 

ちなみにあなたの会社は、創業期、成長期、成熟期、衰退期の4つの時期で考えると、どの時期であるとお考えでしょうか?

 

勝手ながら私のご質問文を読ませていただいたイメージでは、恐らく成熟期に突入し、これまでの各部の属人的なマンパワーの動きから、

 

全員が「何のために我々はこの事業をするのか?」という共通の目的を持ち、協力し合える“組織”を創り上げるタイミングに突入しているのではないかと感じます。

 

 

このタイミングにおいて、経営者がやるべきことはたくさんありますが、今回は管理職の方からのご相談になりますので、あなたが、この時期にやった方がいいと思われることを中心にお伝えさせていただきます。

 

まず始めに、管理職のモチベーションは、組織に与える影響が大きいからこそ、あなたが組織改革を諦めないでください。(笑)

 

そして、「経営陣が何かをやってくれる!」ではなく、「自分が何をする(何ができる)か?」という思考と意志を諦めずに持ち続け、どんどん実行に移していただきたいと思います。

 

「色んなことをやってきましたよ」というお気持ちも、もちろんおありかと思います。

それも、文面からよくわかります。

 

 

ただ、問題提起をしたり、様々な改善提案をすることは、管理職という役割においては当たり前のことなのです。

 

大切なことは、その改善提案に対して、いかに現場を巻き込んで実行し、さらに改善していくか。

 

そこが、管理職に求められる役割です。

 

 

文面からすると、社長様も部長時代に品質関連部門に携わっていたようですが、もしかしたら社長様に少し、甘えはないですか?

 

「何度か現社長(当時部長)に直接話をしてきましたが、具体的な変化はありませんでした。」とありましたが、最終的には、「社長がやってくれる」「社長なんだから決めてくれ」というお考えがあったりするのではないでしょうか。

 

 

私には「みんなで協力して何とか乗り切ろう」という社長様の言葉は、あなたへの期待であり、任されている証拠でもあり、各部署の連携をとって、様々な提案、実行をしてくれという、社長からのメッセージのように感じます。

 

 

ここ最近は特に、各部署間の「協働」・「連携」・「相互貢献」がビジネスの成果に大きく関わると言われております。

 

まずはあなたが、他の管理職の方々と共に現在、どのような連携やお互いへの貢献ができているか、そして、これからできるのかを、「考える時間」をつくってみてはいかがでしょうか?

 

 

人によって、言い表し方には違いがあるかもしれませんが、間違いなく、長い間貴社にお勤めになられている管理職の方々には、「会社に貢献していきたい」という想いがあるはずです。

 

ただ、「どのように貢献すればいいのかわからない」という状態ではあるかもしれません。

 

 

また、「既に業務を拡大しすぎたことで、将来を考える時間も無く、足並みが揃いません」ということが、ご質問文にはありましたが、確かにそうかもしれません。

 

ただ、管理職の方が時間に余裕を持たれているという中小企業様は、残念ながらほとんどありません。

 

 

だからこそ、協働・連携していくためには、互いの考えを伝え合い、理解する“場”を、少し無理やりにでもまず、作ることが必要なのです。

 

 

そのような「場を作ること」が、一番難しいことではありますが、組織改革においての第一歩です。

 

 

そして、その場においては前述した通り、最終的に「どのような連携やお互いへの貢献ができるか」を考えるため、まずはいま、「課題に感じていること」や「困っていること」を共有し、意見を出し合うところから、始めてみてください。

 

 

案外、互いの「課題に感じていること」や「困っていること」を共有するだけで、「だったら私はこれをやります」「うちではこれができます」と、協力体制が生まれてくるかもしれません。

 

組織改革は思った通りにならないからこそ、多くの悩みや葛藤、苦労がありますが、互いの想いや考えが共有され、協力体制が生まれる等、組織が変わり始めると今までの霧が一気に晴れ、目の前の未来への道が切り拓けます。

 

 

会社に対する想いが溢れているあなたなら、できるはずです。

ぜひ、組織変革の第一歩を踏み出してください!

 

 

もし、また困ったことがあれば、お気軽にご相談くださいね。応援しております。 

 

代表取締役 組織人事コンサルタント長友 威一郎(ながとも いいちろう)

大学卒業後、富裕層マーケティング会社最大手に入社。
6年間の営業活動を通じて多くの経営者と出会う。2006年、顧客の1人であった現CONYJAPAN代表の小西から新会社立ち上げの参画要請を受け、経営者の経営サポートを本業にすべく、株式会社ソリューションに入社。
採用コンサルティング、経営コンサルティングを通じて顧客の信頼を積み重ねる。 初期教育を強めることで、未経験者である新卒社員や第二新卒社員をリーダーへと変えるマネジメント力には定評がある。採用と育成の両輪を回して会社を強くするスタイルで多くの企業発展に貢献している。

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