②右腕幹部が育つ組織づくり編_濱川さん

17/07/13
レベルが低い幹部に任せても、話になりません。
A.幹部の動きが遅く、レベルが低いなと思ってしまいます。
私が現場に出るべきなのでしょうか?

創業してから、もうすぐ10年になろうとしています。

この2年ほどで、幹部と呼べる人材が育ち、1つの部署を任せられるまでになったので、心強さを感じていました。

幹部と共に計画を創り、全員でスタートを切ることができたと思っていた今期の始まりだったのですが・・・。

振り返ってみると、この1年間は、あれだけ時間をかけて考えた計画の半分ほどしか、実行がなされていないことが現実です。

新しい期が、もうそこまで見えてきているにも関わらず、幹部は自部門・部署のことしか見えておらず、本来であれば、もう来期の方針や戦略を考えるべきですが、幹部のそのような行動は全く見えません

今の数字を上げるため、ただ目の前の業務に追われていると感じます。

本来「会社としてどうしていくべきなのか?」ということを考えるべき存在の幹部の動きが遅い状態です。

どうしても、幹部のレベルが低いな・・・と感じてしまいます。

であれば、私が一人で事業の戦略や戦術を決め、現場に落とし込んでいく方が早いのではないか、ということすら思ってしまいます。

今のままの幹部に任せても、現場の動きが加速するとは到底思えません。

ここはもう一度、自分が現場に出て、現場の指揮を取りながら、社員に実行を促していくべきなのでしょうか?

(東京 経営者 社員数:20名 業種:人材紹介・人材派遣)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.レベルが低いと他責になるのではなく、あなたが幹部にとって必要な成長が何なのかを見定めることです。

 

ご質問いただき、ありがとうございます。東京拠点の濱川です。

失礼を承知で、今回も少し厳しくお伝えしますね。

 

まず、今回のご質問の件に関して、結論から言うと、あなた自身が現場に出るか・出ないかの二者択一となっているのであれば、その議論自体が非常にナンセンスだと感じます。

 

問題は多々あれど、

 

『真に向き合う必要がある課題は何なのか?』
『未来を見据えた時、何が最も優先順位が高いのか?』

 

この2つを熟考した先に、あなたが取るべき行動や決断があるはずです。

 

あなたが重視していることを簡単に言えば“スピード感”なのかなと考えています。

 

・今期の計画に対する進捗スピード

・来期に向けた戦略・戦術の立案に対する幹部の着手スピード

・来期に向けた戦略・戦術の現場社員の実行スピード

 

上記に対して、そのどれをも可能にする手段が、現時点では「あなたが来期の計画を1人で立て、現場に出て指揮を取り、実行を促していく」ということですね。

 

そして、起きている問題が

 

・部門責任者の幹部が自部門、自部署のことしか見えていない状況にある

・部門責任者の幹部が会社の事業戦略や戦術を考える状況にない

 

ということでしょうか。

 

さて、ここからが重要です。

 

今後、会社として成長していくために、今、最も優先順位が高いことは何かということを見誤らないことです。

 

起きている問題や質問内容からの推測ですが、現段階で向き合うべき課題は

 

・部門責任者である幹部のプレイヤー気質が強く、リーダー層の育成に追いついていない

・部門責任者である幹部陣(部門が存在することから複数人いる前提です)と、定期的に年間部門計画の進捗状況の目線合わせができていない

・部門責任者を統括するポジションの人材が不在である

 

なのかなと思いました。

おそらく、今期は部門責任者である幹部の方々に対して、名実ともに「部門を任せる」とあなたが決断されたスタート時期だったんだろうと思います。

 

手を抜いているということがない限り、恐らく、あなた自身も必死の状況の中でやられているのだと思いますが、

私が感じることとしては、あなたが最も問題視している“スピード”とは『計画の実行スピード』が予定よりも遅いということではなく、『幹部の成長スピード』ではないかなと感じました。

 

もしそうであれば、来期へ向けて“あなた一人で計画を作る”こと、そして、その計画の落とし込みすらも、あなたがする必要があるかないかという点で言うと、

 

今、レベルが低いと嘆く幹部の方々にとって、どのような成長が必要で、そのための手段として何が適しているのか・・・というを見定めることが重要ではないでしょうか。

 

そして、幹部の方々が自身の成長における課題をきちんと認識し、本来、会社として掲げている理想の状態に対して、これからは何を伸ばし・強める必要があるのか、とお互いが理解することが大切です。

 

また、その成長課題に対して、経営者であるあなた自身が「どんな環境を作ることが、最も幹部の成長に貢献度が高いのか」を考える場を持つことが急務ではないかなと思います。

 

そういった場を抜きにして、今期のように「みんなで計画を立てる」という場を設けたとしても、今の状態では、焦りや消極的な意見ばかりが出る場になってしまうかと思います。

 

 

今期、本格的に自部門・部署の責任者として、幹部に役割を任せた1年だったのであれば、上記に書いた課題は、幹部が更なる成長を目指す上で、誰しもがぶつかる避けては通れない壁です。

 

私としては、その課題に向き合う環境を取り上げるようなことはしてほしくないな・・・と感じました。

 

そして、今期、あなたが幹部に望んでいたことは、その部門・部署を統括するポジションの存在がいれば、その方を中心にすることで、叶っていたことが多々あったはずです。

 

現状、もし『部門責任者たちとあなた』という構図になっているのであれば、今期はあなた自身が【統括するポジション】として機能していたか・・・という点も振り返ってみてください。

 

長文になってしまいましたが、改めて問わせていただきますね。

 

『あなた自身にとって最も優先順位が高い行動、そして決断は、何でしょうか?』

ぜひ、それを考えていただいた上で、ご決断いただければと思います。

 

統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)

2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。

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