実行力を生む組織づくり編_濱川さん編

18/11/15
これだから同族経営は・・・と思ってしまいました。
Q.これだから同族経営は・・・と思ってしまいました。

弊社は家族経営で、経営陣はほとんど社長の一族で構成されています。

ただ、社長を中心に経営陣が「家業から企業にしていこう」と数年前から言い始めたのですが、結局、いざというときには「いつもこうだから」とか「これでいいだろう」ということを言うので正直困っていて、「だから変わらないんだよ」と思ってしまうこともあります。

自分も、役職のある者として社員が混乱しないように、この会社を企業らしくしていかなければならないと思っているのですが、一族に対しては正直、諦めてしまっている気持ちもあります。

どうしたら、本当に家業から企業に変えていくことができるのでしょうか。ご教授ください。

 

(福岡県 役員 業種:建設 従業員数:82名)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.まずはご自身で貴社の企業化する目的を言葉にしてみてください。

 

ご質問頂きましてありがとうございます。東京拠点の濱川が回答させていただきます。

家族経営をされていらっしゃる企業様において、血縁関係ではない貴方様のようなポジションの方が、これまでの歴史や様々な出来事に対する不満や葛藤の積み重ねにより、

 

 

【どうせうちは同族会社だから】という感情になってしまうことは、珍しいことではないかと思います。

今回のご質問に関しては、もちろん経営陣の方の問題も多くあることではあると思いますが、貴方様として今から出来る努力を一緒に考えていければと思っております。

 

率直に感じたことは、貴方様は長年【思考停止状態】に近いご状況にあるのではないでしょうか?

それは、ご質問文にある、いざという時に、経営陣の「いつもこうだから」「これでいいだろう」に対して、【だから変わらないんだよ】と思ってしまう、いう一文から感じさせていただきました。

いまのご状況から変化をしていくことは会社として、もちろん大切ですが、

 

 

なぜ変わる必要があるのか、どう変わる必要があるのかという具体的な部分については、【どうせ】という諦めの感情が先立っていると、

考えることや言葉にすることができていないのではないかと思います。

 

貴方様に沸き立つ感情で経営陣に目を向けるのではなく、企業として成長していくための真の目的を見据え、貴方様なりの【論】を持つ。

 

 

ここが重要ではないでしょうか。

 

そしてそのために、まずは【家業から企業へ】という言葉をどう捉えるか?を考えることからスタートできればと思います。

貴社は従業員数からしても80名を超えていらっしゃるということで、事業としては、社長の一族だけの生計を立てるための事業では既にないのかと思います。

そして、家族経営の中心であられるはずの社長ご自身が「企業にしよう」と言われたということは、恐らくですが、サービスや商品の提供における属人的な要素を多数残したまま従業員数が増えていることで問題が起こってきている現状に対して危惧され、標準化していく必要性を感じられたからこそ、変革の意思表示をされたのだと想像しております。

 

 

ただ、貴社が「企業にする」目的は、単にいま従業員数が増えたことにより起こっている問題を解消することなのでしょうか?

いま、貴社で起きていることは、「事業として何を成すために企業にする必要があるのか」これが曖昧で、【企業化】することそのものが
目的になっているからこそ、貴方様も困っていらっしゃるのではないかと思います。

 

ただ、この目的を改めて考えるにあたっては、社内の内向きな発想ばかりに囚われてしまうと、堂々巡りをしたり、発展的な思考にならないのではないかと思いますので、

 

 

「貴社は何を目指して企業への変革をされたいのか?」

 

 

まずはそれを考えてみることです。

 

そして、綺麗事ではなく、事業はどうやっても顧客を創出していく中で成長を遂げていくものだと思うと、「顧客に選ばれ続けるために」を焦点において、・これまで顧客から何を支持されてきたのか・これからの顧客のニーズはどのように変化していくと思うのか・自社が強化すべきは何か等について、まずは、貴方様の考えをご自身の言葉で整理してみたうえで、経営陣との目線合わせをしてみていただきたいと思います。

この目線合わせができて初めて、貴社として、何を変革する必要があるのかが明確になると思います。

 

 

それは業務的なことかもしれませんし、組織の体制的なこともあるかもしれませんし、もしかすると経営陣の家業的な思考かもしれません。

まずは、貴方様がご自身の言葉で整理し、「どうせ」の感情を捨て、冷静に企業化する目的を考え、経営陣と話し合うことをされてみてください。

 

まだまだ、貴方様が働きかけることができる領域は残っていると思いますよ。

 

 

統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)

2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。

関連記事

無料メールマガジン登録

企業経営者必見の直球メルマガ 情熱社長倶楽部
購読者数11,300人突破!  情熱社長倶楽部は、10年以上配信している無料メールマガジンです。「社員がいきいき働いて成長できる会社づくり」のために奮闘している代表長友と社員両方の視点から、日々の実践内容や葛藤・気づきをお伝えします。 登録はこちら! サンプルを見る

育成・採用・離職対策等、テーマ別にノウハウをまとめた資料が無料でダウンロードできます。

無料ダウンロード資料を見る

セミナーを随時開催しております。自律型組織をつくる方法や事例等をセミナーで学べます。

セミナー詳細を見る

ご意見・ご相談や具体的なサービス内容・料金のお見積もり等、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせをする