①実行力を生む組織づくり編_長友さん編

Q.社長に甘えない社員へ育てるには、どのように関わればいいのでしょうか?

会社経営をしていく上で、いつまでも経営者が意見を言ったり、決定をしたりしていてはいけないと、自分でもよく分かっているつもりです。

しかし、社員に気づいてほしいことがある時、どこまで答えを言って、どこまで相手の答えを待ったらいいのか、いまだにベストな関わり方が分かりません。

社員の答えを待ってばかりでは、こちらが気づいてほしいことに気づくまで、恐ろしく時間がかかってしまいます。 

先日、ある経営者仲間に相談したところ「ある程度、自分の考えを伝えることも必要だが、意見を押しつけずに、一緒に答えを見つけることが大事」というアドバイスをもらいました。 

確かにそうだな・・・と思う一方で、自社の社員をイメージしてみると「社長が、一緒に答えを探してくれるからいいや!」と現状に満足してしまいそうな気がしています。 

社員が社長に甘えることなく、自分で考えて行動ができるように成長させるためには、どのように関わったらいいのでしょうか。

(東京都 経営者 業種:金属加工 従業員数:32名)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.社長に甘えない社員に育てたいなら、あなたから相談することを意識し、出てきた意見を受け容れましょう。

 

いつもメルマガをお読みいただき、ありがとうございます。本日は、長友威一郎がお答えいたします。

 

社員一人ひとりが自分の考えを持って、行動してくれることは、非常に理想的な自律型組織ですね。

 

 

我々ソリューションでは、自律型組織を【社員一人ひとりが共通の目的・目標に向かい、自らで為すべきことを見出し、改善を重ね、成果と結果を出せる組織】と定義しています。

 

 

ただ、このように言葉にしてみると、頭で理解することはできますが、自律型組織にするための具体策と言われたら、なかなか見えてこないはずです。

 

そこで、その第一歩として、社長がすぐにできる具体策をお伝えするならば、「現状を把握すること」がスタートではないでしょうか

 

なぜならば、現状を正しく把握しなければ、自律型組織になりきれていない組織の根本的な原因が見えず、適切に解決することができないからです。

 

 

自律型組織になれない、いわゆる“指示待ち組織”の傾向として、大きく「トップダウン型組織」「属人型組織」の2つのパターンが存在します。

 

 

「トップダウン型組織」とは、全員が社長のやり方に従っている指揮・命令系統の統一された組織です。

この組織は、従業員数が20~30名を超えると、社長一人ではマネジメントできなくなるため、社内の問題が多発し始めます。

 

一方「属人型組織」は、社員が所属している部門の部門長や幹部のやり方に従っており、指揮・命令系統が各部門や幹部によってバラバラで、社内に社長以外のトップダウン型組織が2つ以上存在している組織です。

この属人型組織の状態が長引いてしまうと、社長自身の求心力が弱くなり、会社自体が衰退期に入りやすくなります。

 

 

もし、当てはまることがあるとしたら、貴社は上記のどちらの指示待ち組織の傾向が強いでしょうか?

 

この2つのパターンによって、今後の適切な打ち手は変わってきます。

 

 

その上で、すぐに社員の変化を促し、自律型組織をつくる上で重要なことは「社員が安心して自分の考えや意見を言える環境を整える」ことであると考えます。

 

指示待ち組織を自律型組織にするために、まずは「社員の意見を聴こう」と行動される経営者は多い印象があります。

しかし、社長が突然「意見をくれ!」「どう考えているか教えてくれ!」と社員に意見を求めるようになったとしても大抵の場合、出てこないはずです。

 

 

だからこそ、私が取り組んでいただきたいことは、あなたの経営者仲間の意見と同じく「社員さんに相談する」ことです。

 

 

意見が出てこない理由は、会社を良くしたいと思っていても、そのための方法や手段を知らない。もしくは意見を持ってはいても、その意見に対する自信のなさや、責任の重さに戸惑い、躊躇しているだけという場合が多いと考えられます。

 

そのため、社長から相談された経験がほとんどない社員であれば、最初はもちろん戸惑うかもしれません。

しかし、社長からの声かけを継続していくことで、あなたの「現場の声を大切にしたい」という想いが伝われば、少しずつではありますが、意見を出してくれるようになっていくはずです。

 

 

そして、次に大切すべきことは、その場で出てきた社員の意見を、経営者であるあなたが“きちんと受け容れる”ことです。

 

社員に相談をするこことと、意見を受け容れることを続けていけば、社員の中に自然と安心感が湧いてきます。

 

更に、社員から出てきた意見に対して「共に考える」ことを続けながら、社員自身が「社長に意見を言っても大丈夫だ!」という認識を持ち始めると、社員からの発言内容が変わっていきます。

 

 

あなたと社員のコミュニケーションの量が増え、かつコミュニケーションの質が高まってくれば、社員が社長に甘えるといった思考ではなく、自ずと「会社のために貢献したい!」という気持ちが高まっていくことでしょう。

 

何事も、実行するのは社員です。

 

 

社員が社長に頼ることなく、主体的に考えて行動してほしいと願うのであれば、社員の意見を良い・悪いと判断してしまうことなく、その考え方を尊重しながら、安心して実行ができる環境を創り出すことが、経営者としての役割であると思います。

 

 

まずは、社員を信じることから始めていきましょう!

 

代表取締役 組織人事コンサルタント長友 威一郎(ながとも いいちろう)

大学卒業後、富裕層マーケティング会社最大手に入社。
6年間の営業活動を通じて多くの経営者と出会う。2006年、顧客の1人であった現CONYJAPAN代表の小西から新会社立ち上げの参画要請を受け、経営者の経営サポートを本業にすべく、株式会社ソリューションに入社。
採用コンサルティング、経営コンサルティングを通じて顧客の信頼を積み重ねる。 初期教育を強めることで、未経験者である新卒社員や第二新卒社員をリーダーへと変えるマネジメント力には定評がある。採用と育成の両輪を回して会社を強くするスタイルで多くの企業発展に貢献している。

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