④ゆとり社員が育つ組織づくり編_濱川さん編

Q.既存社員が新卒社員を甘やかしてしまいます。どう手を打てばいいですか?

新卒教育について悩んでいます。

昨年から新卒採用をしているのですが、育成がうまくできていません。

長年採用をしていなかったため、新卒と、新卒を育てる側の年齢が離れているせいか、親と子のような関わりになってしまい、甘やかしてしまう傾向にあるのです。

私としては、多少大変な仕事でも、それは成長のチャンスであり、乗り越えてほしいと思っていますが、他の既存社員は「大変そうだから」と、仕事を手伝ってしまいます。

来年も新卒採用をする予定なので、新卒を甘やかす状態を変えるため、どうにか手を打たなくてはと思っています。

何から始めていけば良いでしょうか。(東京都 取締役 業種:未記入 従業員数:未記入)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.新卒を甘やかしているかどうかよりも、まずは「育てる」ことにおけるお互いの価値観を知り合う場を設けましょう。

 

いつもメルマガをお読みいただきましてありがとうございます。
東京拠点の濱川です。

 

昨年から新卒採用に取り組まれたということで、今年は貴社にとって、新卒社員様との価値観や常識の違い等、毎日が戸惑いや驚きの連続だったのではないでしょうか?

我々ソリューションも設立した2006年から2014年までは毎年新卒採用を実施し続けておりましたが、組織体制の変更などの兼ね合いで、2015年~2017年において新卒採用をストップしておりましたので、(第二新卒採用などは実施しておりましたが)

 

社会人1年生の育成という意味では、少しブランクがあり、4月に3年ぶりに入ってくる新卒に対して、恐らく、新卒最年長である私が一番戸惑うだろうと予想していました(笑)

 

 

さて、今回のお悩みに関してですが、察するに、あなたご自身は社会人になって間もない頃から、厳しい環境、また困難など逆境をチャンスに変え、「あの頃」があったから・・・と思えるエピソードが沢山あるのだと思います。

 

 

だからこそ、現状の新卒社員様への関わり方や、その環境に「新卒を甘やかす」といった表現の不満や不安があるのかと思います。

 

 

私も入社1年目の時は、ソリューションも創業期のタイミングで、現代表(当時31歳のマネジャー職)が直属の上司ということもあり、

 

当時の自分への関わり方と、今の若手メンバーとの関わり方を比べると「なんだか随分優しくなりましたね(笑)」と皮肉を言いたくなることも多いです。

 

 

ただ、大切なことは、「厳しく関わる」でも「優しく関わる」でもなく、どのように成長を遂げて欲しいのかという「期待を持って関わること」ではないかと思います。

 

 

また、既存の社員様からすれば、【育成】するということに対して、「辞めてしまったらどうしよう」という不安や、「そもそもやったことないし!」という戸惑いも多いはずです。

 

あなたの視点で見ると、既存の社員様に対して、ダメ出しをしたいことが多く見られるのかと思いますが、まだまだ、これから【育成】の経験を積み重ねていくのですから焦らずに、進めていきましょう。

 

 

それに、「新卒を育てる側の年齢が離れているせいか、親と子のような関わりになってしまい」とご質問文にありましたが、親世代の社員様がたくさんいらっしゃるのであれば、実は、あなたよりも新入社員様世代の傾向等もご理解されているかもしれませんよ!

 

 

ちなみに、私は子育てをした経験はありませんが、自分の母親の子育て論を聴くと、社員育成の考え方と通じるものが多いなと感じます。

 

例えば、

・習わせたい習い事があった時は、本人が自分から「やりたい」と思うように、楽しそうにやっている近所のお姉ちゃんたちと交流させる
・学校や習い事などを休む時は、連絡は自分で入れさせる
・家族が使う食器は色を別にして、自分のものはどれかを認識させて、自分のものは自分で洗わせる

 

等々。

 

ここにおいては、人によって様々な価値観、考え方が存在するかと思いますが、1番は「自立した人になって欲しい」という願いが原点だったということで、母親なりに色々考えたり、工夫したりしていたんだなと思います。

 

 

【育てる】ということにおいては、母親のように何かしらの願いを原点として、各個人が様々な考え方をお持ちだと思います。

 

そのため、【育てる】ということに関しての、お互いの考え方や価値観を知り合うというところからスタートされてみてはいかがでしょう?

 

 

子育てを経験されている方に関しては、その人独自の【子育て論】を聴いてみたり、そういった経験がない方でも、学校生活の中で先輩・後輩の関わりを持った経験はあると思いますので、

 

「【育てられた】【成長させてもらった】と1番感じる関わり方をしてくれた人は?」

 

といったようなことを共有するだけでも、その経験や体験を言葉にする中で、言葉にし切れていなかった考えを互いに知り合うことはできるかと思います。

 

 

また【育てる】ということに関しては、大きく価値観が出ることかと思うので、知り合うことをするうちに、その違いに戸惑うこともあるかもしれません。

 

ただ、仮にあなたと考えが違っていたとしても、それは【間違い】ではなく、あくまでも【違い】なわけなので、互いが分かり合うために更なる対話をしたり、「貴社としてはどうすることがいいのか」を擦り合わせるきっかけにもなるかと思います。

 

 

その擦り合わせの中で、少しずつカタチにしていけるものが増えてくるかと思います。

 

また、お互いの考え方をすり合わせる中で、関わりにおける役割分担も生まれてくるかと思います。

 

誰かが厳しく接したのなら、誰かはフォロー役に回ることも必要でしょうし、どちらにしても互いの接し方の【意図】を汲めていなければ、協力して【育てる】ことは難しいはずです。

 

 

同じやり方をすれば同じように育つかというと、そうではないように、やり方に正解はないのではないでしょうか?

 

 

だからこそ迷ったり、悩んだりするのが「人を育てる」ということなのだと思います。

 

そういった経験を既存の社員様がすることは、とても意義深いことだと感じますし、あなたがどう関わるか、どう見守るのかも大切なことですね。

 

 

新卒採用は続けることに意味があると思います。

 

採用も育成も年を重ねるごとにノウハウやナレッジが溜まり、経験値が増えていきます。

 

 

まだまだ序盤です。

 

上手くいかないことの方が多いかと思いますが、是非、既存の社員様、新卒社員様変わりなく、沢山の愛情を持って接してくださいね。

 

統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)

2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。

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