次世代リーダーが育つ組織づくり編_濱川さん編

18/09/06
降格させたい。でも、退職は避けたい社員です。
Q.降格させたい。でも、退職は避けたい社員です。

ある37歳、男性の課長の管理能力について悩んでいます。

その課長には、営業2名のマネジメントと管理を任せているのですが、いまは、課長のケアレスミスが顧客離れを生んでいる状況です。

もちろん、このままではいけないと思い、きちんと部下を育成しようとしているのですが、なかなか手こずっており、役割が全うできないのなら、正直、降格させたいと思いつつも、辞められる可能性も大きいと思うと、結局、何も踏み出せずにいます・・・。

顧客離れが発生しているとはいえ、退職は避けたい社員なんです。
 このような場合、どういった対応をしたらいいのでしょうか?

(愛媛県 代表取締役 業種:リフォーム 従業員数:27名)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.降格させる前に、相手のいまの状態を「聴く」時間を設けてください。

 

ご質問いただき、ありがとうございます。東京拠点の濱川が回答いたします。

 

 

今回のご質問の内容を拝読し、課長さまのマネジメント能力や個人レベルの問題もあるのだと思いましたが、

 

 

最重要課題は、貴方の【何も踏み出せずにいる】といった、この状態に尽きると感じております。

 

社員様のことを大切に思うからこそ、慎重にもなりますし、貴方が恐れられているように最悪の場合のことも考えると、なかなか一歩を踏み出せないのだろうと思いますが、

 

ぜひ、この質問をくださったことをきっかけに、踏み出せそうな一歩を見つけていきましょう。

 

 

さて、私として率直に感じたことは【役割が全うできない=降格させる必要がある=辞めてしまう】という貴方の思考の方程式は、

 

少し飛躍があるかもしれないということです。

 

 

ご質問の中に、

 

「・・・もちろん、このままではいけないと思い、きちんと部下を育成しようとしているのですが、なかなか手こずっており・・・」

 

とありますので、これまで試行錯誤をされてこられたのだと思います。

 

 

だからこそ「もう、できないのなら降格させるしかない」と思われいるのだと思いますが、私は降格させる以外にも策があると思っています。

 

例えば、今回は「課長」ということですので、元々のプレーヤーとしてのお力はある方なのだろうと思います。

 

 

しかし、その課長が、現在、自身の仕事のケアレスミスが目立つ状態になっていらっしゃるということですので、

 

私は単純に、キャパオーバーになられていらっしゃるのかな?と想像しました。

 

 

当然のことではありますが、キャパオーバーということは、

 

“既にいま、仕事が溢れている状態”だと思いますので、あなたのアドバイスに耳を傾ける時間も、心の余裕もないのではないでしょうか?

 

 

コップいっぱいに水が入った状態では、それ以上、水が入ることはありません。

 

 

もしかしたら、課長のコップは水がいっぱいになってしまい、溢れかかっている状態で、それがケアレスミスとして表れているのかもしれません。

 

そのため、是非、貴方にやっていただきたい一歩目のステップは、

 

課長に何かを【教える】のではなく、

 

いま、課長に何が起こっているのか、どういう状態なのかを【教えてもらう(聴く)】ことです。

 

 

要は、現状の把握です。

 

「現状の把握」というと少し難しく聞こえるかもしれませんが、シンプルに、課長さんがいま抱えられている業務を、一緒に洗い出してみてください。

 

そして、その業務を1つずつ確認し、何に困っているのか、どう進めようと思っているのか、

 

課長が何を考え、どう動くつもりなのかという思考回路を理解されてみてください。

 

 

その中で、貴方が課長に対して、協力できることがあるかもしれませんし、貴方様が期待されている「課長」という役割に対する認識のギャップを見つけることもできるかもしれません。

 

 

その際には、ぜひ一緒に「課長」という役割について共に考え、その方が一緒に決めた、その役割を全うできるように動き方を考えてみてください。

 

 

貴方も、課長も現状のまま踏み出せないということのないように、まずは、課長と共に立ち止まって、いまの状況を確認、把握されてみてください。

 

そこから、きっと踏み出せる一歩が見つかるはずです。

 

 

統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)

2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。

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