④ゆとり社員が育つ組織づくり編_濱川さん編

Q.根性なき新卒、育成できず・・・

今年初めて大卒の新卒採用をしたのですが、半年ももたずに辞めてしまいました。

それまで高卒は採用していましたが、大卒は初めてで色々と彼らについて感覚的に理解できないことがあり、時代の変化と育成の難しさを痛感しました。

これから、まだ新卒採用をしていきたい気持ちはあるのですが、今年の様子を見ていると、根性というか、熱意というか、耐えられる力のようなものがもう少しないとうちではそもそも育成できず、同じ結果になってしまうのではないかと思っています。

どうしたら、いいのでしょうか。

 

(愛知県 代表取締役 業種:食品加工・販売 従業員数:34名)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.社長と本音の議論をする場を設けてみてください。

 

ご質問頂きましてありがとうございます。ソリューションの濱川が回答させていただきます。

 

初めての大卒者の採用ということですね。

 

入社半年ほどで辞められてしまったとのことで、その半年の間にも、色々とびっくりするような出来事や戸惑いが多くあったのだろうと想像いたします。

 

そしてその日々の中では、恐らく肩すかしを食らう感覚や、がっかりする感覚を味わったり、仕事に向かう姿勢や仕事の仕方に対しての
価値観の違いにも、戸惑われたりしていらっしゃったのかなと想像します。

 

「耐えられる力がもう少しないと・・・」という表現からも、困難や苦労のある環境に対して、新卒者の方から不平不満があったのではないか想像しますが、

 

ただ、私が貴方様にとって必要だと感じたことは、貴方様の言う「根性」や「熱意」を新卒者につけさせるということではなく、もっと広い視野の下、貴方様の会社や、仕事の仕方そのものの【当たり前】を見直すチャンスがきているのではないかなと思いました。

 

若手採用はやってきたということですので、これまでの高卒者の方にはない観点を大卒者の方がお持ちだからこそ、いま貴社に新たな課題がお悩みとして浮上しているのだと思います。

というのも、私自身も新卒として入社し、後輩を持った時に、貴方様と非常に似た感覚を持ったことがあるからです。

確か2010年前後だったと思いますが、私が入社した当時の弊社の営業活動は、飛び込みやテレアポが主流で、反響営業ということではありませんでしたので、非常に難易度が高く、それこそ根性、熱意が求められ、それはそれは必死にやっておりました。(笑)

そして、自分自身ががむしゃらにやり、その中でも結果を出してきたという自負もあったので、営業はしんどいことが当たり前、必死にするのが当たり前というような考え方を持っていました。

しかし、1つ下の後輩たちは営業時間になっても飛び込みやテレアポをする様子もなく、いつまで経ってもだらだらとパソコンを前にしている様子が見受けられました。

 

気になって様子を見に行くと、なんと【facebook】を使って経営者様と接触を図り、その中のメッセージでアポイント設定を行っていたのです!

確かにそれは、よくよく考えれば飛び込みをするよりも、遥かに効率的だと思いますが、当時の私からすれば、「新規営業は苦労してなんぼ!」という凝り固まった考え方を持っておりましたので、

 

 

そんなやり方は正攻法ではない!【楽】をするな!

 

 

という感覚が先走り、苛立ちのような感情が湧きました。

 

ただ、いま考えると実は後輩たちの方が、「効率的に結果を出す」という点におけるやり方の部分では優れていたのかもしれません。

苦労や熱意、耐える力ということは、人としての成長においては、確かに重要なことです。

 

しかし一方で、業務においては、苦労せずにできるやり方、効率的にできるやり方、そういったことを考え、向かっていくことは、この先一層、重要になってくるかと思います。

 

新卒採用というのは、そういった既存社員の考え方や会社に存在する、誰も疑問すら持たなくなった、目的のないルーチン等の凝り固まったものを打開するきっかけをくれるものだと思います。

 

「新卒者を今の会社に合わせよう!」というスタンスのみでは、新卒者といまの会社の価値観の違いは【間違い】になり、どちらかを否定するものになってしまうはずです。

 

「いまの会社を成長させるために、いかに活かすか?」

 

 

という目線で向き合うと、彼らとの関わり方も、自社の改善点も見えてくるのではないでしょうか?

 

今回のご質問であれば、通常は採用設計の問題で、求める人物像の設定や採用のミスマッチ、育成計画の作り方という回答になっていたかと思いますが、

 

 

貴方様に必要なことは、前述しているように、新しい視点を持つことなのかなと感じましたので、このように回答させていただきました。

きっと、2020年卒の採用についても着手される頃かと思いますので、「採り方」ももちろんですが、その後の「育て方」についても、2018年卒の新卒から学べることを活かして、改めて体制を整えるきっかけにしていただければと思います。

 

 

統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)

2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。

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