社員が社内ツールを活用できない・・・
2023/01/10
私がいいなと感じている研修に、社員を派遣しようと思っているのですが、その社員は乗り気ではありません。
社員自身にやる気がなければ、行かせても意味がないとは思いつつ、そもそも、その彼のやる気を出させるために派遣しようとしているので、ここはトップダウンで行かせてしまおうかという迷いもあります。こういう場合は本人が行きたいという意思を見せるまで待つべきなのでしょうか。
(和歌山県 代表取締役 業種:機械部品加工 従業員数:28名)
(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)
A.その研修に行かせる貴方様のゴールや期待を明確にしてください。
ご投稿いただきまして、ありがとうございます。今回は、東京拠点の濱川が回答させていただきます。
研修内容や、対象の社員様についてのご状況等がわかり兼ねるところはありますが、少しでもお役に立てるように回答させていただきますね。
貴方様が「いいな」と感じられていらっしゃる研修は、「やる気アップ」を期待されていらっしゃるということで、自己啓発系の研修をイメージしております。その上で、お伺いさせていただきます。今回の件に関しての貴方様のゴールはどこにあるのでしょうか?また、その研修で社員様にどこまでの成長、もしくは変化を期待されていらっしゃるのでしょうか?その答え次第で判断は変わってくることかと思います。是非、考えながらお読みいただければと思います。
さて、「そもそも」の話になりますが、【やる気】とは何でしょうか?
私自身の解釈としてしっくりきているものは、やる気とは、【物事を積極的に進めようとする目的意識】であり、やる気があるかないかというのは、【その行動をする理由を持つことができているかどうか】に左右されるのだと思っております。
この定義に則り、大目的から考えようと思うと、【何のために働くのか】といった大きな問いになってくるのだと思いますが、これについては、私自身もまだまだ追求し続けていきたい問いでもありますので、絶対の自信を持って答えられるかと言われれば、曖昧さはあります。
ただ、日々の仕事において、先述した「仕事への目的意識がないのか?」と言われれば、その答えは、NOです。
では、なぜ【何のために働くのか】という大目的はまだ曖昧だったとしても、日々の仕事においては目的意識を持って臨むことができているのかというと、これまで仕事の1つひとつに【意味づけ】をしてきたからだと思っています。
1つの仕事を自分がすることに、自分自身の成長や、お客様の変化、社内への影響等、範囲や対象は様々ですが、「~のために私はこの仕事をする」という意味づけをし続けたことで、自分自身の視野が広がり、できることが増えてきたことが、「やる気アップ」とは言わなくとも、少なくとも「前向きに仕事をしたい」という気持ちには繋がっていると思います。
私のこの意味づけをするという習慣は、何か研修に行ったからするようになったということではなく、新入社員時代から、先輩や上司にその都度
「この仕事は何のためにやるんだ?」と問われてきたからこそ、思考の癖として存在しています。
恐らく、ご派遣を考えていらっしゃる研修もそういったご本人の目的意識に働きかけるような内容があるのかと想像いたしますので、貴方様が期待する【やる気】に繋がるヒントは見つかるかもしれません。
ただし、その【やる気】へのヒントが行動に表れ、継続できるかどうかは残念ながら全く別です。
貴方様が期待していいのは、あくまでも【きっかけ】になるかもしれないということだけです。「きっかけになればラッキー」くらいの心持ちでいた方がいいと思います。ですので、私の回答といたしましては【きっかけ】作りで良いのであれば、ぜひ、その研修にご派遣されてみられてはいかがかなと思います。ただし、大切なことはその【後】、もっと言えば【日々】の貴方様からの働きかけや習慣にあるはずです。
またこういった研修においては、研修講師の立場から考えると、対象の社員様が、仕事に取り組む姿勢は真面目ではあるものの、あと一歩成長してほしい、でも、社内での関わりだけでは難しさがあるといった方だと研修において、期待される成長の「きっかけ」をつくることは、お約束できるかと思います。
ただ、1回の研修で人を変えるといったことは残念ながらできません。(もしかしたら、そんな研修も存在するかもしれませんが・・・)ぜひ、成長への特効薬や魔法はないということを改めて踏まえた上で、ご派遣なさるか否かを考えられてみてください。
私としては貴方様に今後考えていただきたいことは、研修に派遣する、しないといったことだけはないということをお伝えさせていただきますね。
貴方様にとっても、その社員様にとってもいい選択がされることを願っております。
統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)
2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。
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