④ゆとり社員が育つ組織づくり編_濱川さん編

Q.「挑戦」に消極的な社員にはどう関わったらいいのでしょうか?

いつもメルマガ楽しみにしています。

こちらのメルマガを参考に、最近は、部下が自ら仕事の改善をしたり、自分自身の成長に気づいたりすることができるように、ただ教えるだけではなく、質問したり、フィードバックしたりと色々試してみてはいますが、イマイチ手ごたえがなく、思った通りに進めることができません。

直近だと、ある若手社員にプロジェクトリーダーを任せたいと思い、個人面談を行なったのですが、「できればお断りさせていただきたい」と言われてしまいました。

相手の話を聴くことに徹し、自分の考えを押しつけないように気をつけたのですが、どうにもやらない理由を受け入れるような流れになってしまい、結局、最後は無理やり説得する形になり、「検討させてください」と言われている状況です。

どうしてこんなにも消極的なのか・・・。

どのような伝え方、流れであれば、本人が積極的にやりたいと言ってくれたのでしょうか。

(鹿児島県 部長 業種:未記入 従業員数:未記入)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.相手が消極的な理由を考え、その上で時には厳しく伝えましょう。

 

いつもメルマガをお読みいただき、ありがとうございます。

色々と試行錯誤をされていらっしゃるのですね!

 

私自身もこれまでに社内において、様々なイベントの責任者や、拠点の立ち上げ等を任され、プレッシャーを感じる役割やミッションを与えられてきたからこそ、今の自分があると思っております。

 

いつも前向きだったかというとそうではなく、ほとんどが内心はイヤイヤだったり、やらない理由を綺麗に並べて、相手を論破しようとしたりと、あなたが悩まれているように、上司にとって色々とやりにくい部下だったかと思いますし、今も割とそうです(笑)

 

 

今回の面談は、とても大切なシーンかと思いますので、あなたの次のチャレンジ、そして若手社員の方の今後の成長に繋がるよう回答させていただきますね。

 

 

まず、率直にご質問文を読んで思ったのは、あなたの言葉にもあるように、あなたが「思った通りに進めようとした」ことが今回、上手くいかなかった大きな要因かと思います。

 

 

あなたとしては「やります!」と若手社員の方が快く引き受けてくれることを面談の理想として置かれて進められたのだと思いますし、そのプロセスとしても、ご本人ができるだけ納得できるように、伝えるよりも【聴く】を意識されて、その場を進められたのだと思います。

 

もちろん理想が間違っていたということではありませんが、今回の場合、「面談における最大の成果をどこにおく必要があったのか」が、ポイントだと思います。

 

 

若手社員の方をプロジェクトリーダーへ抜擢された背景としては、「チャレンジして成功体験を積んで欲しい」というあなたの願いや、恐らくですが、その社員様は現状維持タイプで、あまりリスクを負いたくないという意味で消極的な方なのかと想像しますので、それを打破して欲しいという期待があったのではないかと思います。

 

 

大切なことは、若手社員の方が面談を通じて、ご自身が挑戦をすることに対しての“意味”をいかに見つけ出すことができるかだと思います。

 

 

もしかしたら、今回は、面談そのものを上手くやろうと考えすぎてしまったのかもしれないですね。

 

ここでは、あなたの理想通りの流れになるかは一度置いておいて、私としてはこの面談における、あなた自身の中で「明確だったのか」を確認したいことが3つあります。

 

1.なぜ、このタイミングで若手社員の方を、プロジェクトリーダーに抜擢したいと思ったのか
2.若手社員の方がプロジェクトリーダーを担わなければ、どうなってしまうと思っているのか
3.若手社員の方のキャリアビジョンをあなたはどう考えているのか

 

の3つです。

 

いかがでしょうか?

 

 

「挑戦します!」「やってみます!」と成長意欲高く、引き受けてくださる方の方が稀かと思いますし、できることなら、ワクワクと成長イメージを醸成して、前向きに手を上げてくれる流れが理想かと思いますが、多くの場合、そうはならないと思います。

 

そのため、もちろん最初は若手社員の方が、リーダーを務めたくないと考えられている背景をあなたが行なったように、じっくり【聴く】ことは大切です。

 

 

大きく分ければ、若手社員の方の心情としては、

 

A やりたいけどやれないと考えられている理由が存在する
B やりたくないけど、やる必要性は感じられている
C やりたくないし、やる必要性も感じられていない

 

のいずれかかと思いますので、

 

Aであれば、やれない理由を聴く中で、本人が懸念する【気がかり】にたどりつき、それをいかに解消するかの話し合いができるかと思います。

 

Bであれば、本人の自信や勇気の問題によることが大きいので、あなたに確認したいとお伝えした3つのうち、1の「なぜ、このタイミングでプロジェクトリーダーに抜擢したいと思ったのか」を伝えることが大切かと思います。

 

そして、恐らく今回は「できればお断りさせていただきたい」と言われていたことから推測すると、若手社員の方の心情としては、Cのパターンだったのではないかと思います。

 

 

あなたも面談を実施してみて、そう感じられていらっしゃったのであれば、今回の面談での重要ポイントは【危機感】を認識させることだったのでしょう。

 

 

分かりやすく言うと、消極的なままではなく「このままだとまずいぞ!」と思ってもらうということですね。

 

理想も高くないし、現状のままでいいと考えられているのであれば、仮に今の仕事をそのまま続けていたとしても、現状維持すら難しいという実情を伝えることも大切です。

 

2の「プロジェクトリーダーを担わなければ、どうなってしまうと思っているのか」について、あなたが厳しく伝えるシーンがあってもいいかと思います。

 

それは、リーダーをやらせるための説得ではなく、3の「若手社員の方のキャリアビジョンをあなたがどう考えているのか」が明確であれば、若手社員の方の今後を、あなたがその方以上に、真剣に考えているということが伝わるかと思います。

 

 

まずは、あなたの意思を伝えることで、若手社員の方にも何かしら伝わるものがあるかもしれません。

 

社員を成長させることは、ただ【聴く】だけではできず、時には、相手のためを思った【厳しさ】が必要かと思います。

 

そして、この時点では、こちらが言いたいことについて、相手が納得しているか否かは、あまり重要視しなくてもいいかと思います。

 

 

多少無理やりかもしれませんし、本当に消極的な性格から変わろうとしないのであれば、内心イヤイヤのままかもしれません。
やってみてよかったと思えるのは、ちょっと先の未来かもしれません。

 

 

人を成長させる過程というのは、そんなものなのではないでしょうか?

 

部下の方の反応に一喜一憂せず、こちらの意思を明確に伝えて、どしっと構えていきましょう!

 

統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)

2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。

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