実行力を生む組織づくり編_濱川さん編

17/05/11
「会社のビジョンが見えないから辞めます」と言われました。
Q.「会社のビジョンが見えないせいだ」と言われますが、ビジョンで退職は防げますか?

先日突然、管理者クラスの社員が退職すると言ってきました。

その原因を他の幹部に相談すると「会社のビジョンや方向性を伝えていないからではないか?」という声をもらいました。

なので、改めて早急にそういった話をしていこうと思いますが、正直、会社のビジョンが明確になったからといって、それで退職は防げるものなのでしょうか?(千葉県 経営者 従業員数:未記入 業種:未記入)

 

(※表記や改行などを編集部で若干変えております。ご了承ください)

A.「会社のビジョンが見えない」と言われた時こそ、組織をつくるタイミング。直接対話(コミュニケーション)を重視しましょう。

 

こんにちは、東京拠点の濱川です。
いつもメルマガをお読みいただきまして、ありがとうございます。

 

このようなご相談は多く頂きますが、貴社の詳しいご状況などお聞かせいただかないと、なんとも言い難い・・・というのが正直な回答です。

 

ただ、ひとつ言えることは、会社のビジョンや方向性が社員様に認識されていたとしても退職が防げるということとは、直接的には繋がらないのではないかと思います。

 

会社のビジョンや方向性が見えないということが、今回退職の表明をされている管理職の方の“建前”の理由かもしれませんし、雇用される側として会社を適切に判断された本音の理由であるかもしれません。

 

 

また仮に会社のビジョンや方向性を伝えたとしても、全ての社員様に共感してもらえるのかすら、わからないことですし、それをきっかけに同じように退職を考え出す方もいるかもしれません。

 

社員様の退職といった問題は、社内の雰囲気やお客様に与える印象など、社長にとって、とてもナイーブで心がざわつく出来事だと思います。

 

 

だからこそ、社長の思考が『いかに対処するか』になりがちです。

 

 

でも、こんな時だからこそ、その場その場をなんとか食い止める“対処”ではなく、強い組織を作るために「今、必要なものは何か」をこういった出来事をきっかけにしっかり考えていきましょう!

 

幹部社員様がいらっしゃって、管理職クラスの社員様もいらっしゃるということなので、恐らく貴社は組織の階層としても3階層以上(経営者・幹部・管理職が分かれている状態)が存在し、

 

規模も30名以上なのではないかと予想しますが、いよいよ、組織づくりに着手するタイミングが来ているからこその出来事なのかもしれませんね。

 

だからこそ、組織を見直すことからやってみましょう。

 

ソリューションでも重要視している組織づくりの考え方の1つに『組織の三要素』というものがあります。(経営学者のチェスター・バーナード氏が提唱しています)

 

これは「組織が成立するために必要な条件」のことを言います。

 

小難しいので、「良いチームに必要なもの」と考えてみてください。

 

 

その3つの要素は、

 

(1)「共通の目的」
(2)「貢献意欲」
(3)「直接対話(コミュニケーション)」

 

であるとされています。※順不同

 

 

「共通の目的」とは、言い換えるならば、会社における『経営理念や経営ビジョン』と置き換えることができるかと思います。

 

その目的に対し、「貢献意欲」は組織のメンバーとともに働き、お互いの役に立ちたいという意識、そしてその意欲を引き出すため、また意識や行動を調整するために欠かせないのが「直接対話(コミュニケーション)」です。

 

今回の件でいうと、共通の目的に置き換えられる、会社のビジョンや方向性が“ある”のに伝わっていなかったということであれば、「直接対話」に何かしらの問題があるのかもしれません。

 

ご質問の中にも、「他の幹部に相談すると、『会社としてビジョンや方向性を伝えていないからではないか?』という声をもらいました」とありましたが、

 

これだけでも、幹部の方々と管理職の方々のコミュニケーションに課題があるのは、明らかにわかりますね。

 

 

「伝えるのは、社長から」という認識なのかもしれませんが、幹部社員の方々がご理解され、「ビジョンが伝わっていない」ということをキャッチ出来ているようなコミュニケーションが日常的にあるのなら、

 

シンプルに「幹部社員の方から、伝えればよかった」ということですし、違う観点で考えれば、その幹部社員の方が会社のビジョンを伝えられるほど、“理解が出来ていなかった”のかもしれません。

 

 

そうなると社長と幹部社員の方々とのコミュニケーションの見直しも必要かもしれません。

直接対話(コミュニケーション)が上手くいっていなければ、組織には誤解や勘違いが溢れてしまいます。

 

 

もしかしたら今回の退職も、「会社のビジョンが見えない」ということが、直接的な理由ではなく、直接対話が上手くいっておらず、1つの退職の引き金になってしまっただけかもしれません。

 

対処的にビジョンを伝えるということではなく、今、組織において直接対話(コミュニケーション)が重要であることは間違いないかと思いますので、

 

“直接対話”をテーマとして色々と取り組んでみられてはいかがでしょうか?

 

せっかく「会社のビジョンが伝わっていないのでは?」という声もあるようなので、社員総会などを開いてみられることをオススメします。

そこで会社の未来を皆様に伝えたり、社員の皆様が日頃感じていることをキャッチできたりする場になれば、とても意義ある場になるはずです。

もちろんそこで全てが解決することはないかと思います。

 

しかし、思いがけない発見や、これからさらによくしていくヒントは、たくさん見つかると思いますよ。

そして、社員総会をする際は、ビジョンを単に発表するだけではなく、下記を意識してしてみてください。

 

・なぜ、今回このような場(社員総会を開いてビジョン発表をするのか)を設けようと思ったのかを伝える

・分かりやすく、シンプルにビジョンを伝える

・ビジョンがどのような考えや想いで生まれたのか、その背景を丁寧に伝える

・ビジョンをどのように実現していくのかの計画と実行項目をセットで伝える

要は、理解や共感がしやすい話の構成を意識するということですね。

またこういった場は、聞く側にとっては、一方的なインプット(学び)の場になりがちです。タイミングを見て、アウトプット(気づき)の機会を作ることもオススメです。

例えば

 

・ビジョンを聴いて感じたことや率直な感想、気づきを隣の席の人と3分間で共有する

 

など。

これをしなければダメ!ということはありませんが、積極的に聴くという姿勢になってもらうための工夫も重要かと思います。

 

こういったアイディアはたくさんありますので、もし、「社員総会が初めて!」や「今までとは違う場にしたい!」ということであれば、一度ご相談くださいね。

 

あとは、社員総会で発表したから終わり!ではなく、常に意識が出来るような日常のコミュニケーションなども考えてみてください。

 

こちらの方が重要かと思います。

 

それではこれからも頑張っていきましょう!

 

統括マネジャー 組織人事コンサルタント濱川 桃子(はまかわ ももこ)

2009年、新卒社員として株式会社ソリューションに入社。入社直後からトップ営業マンとして同社で活躍し、後継経営者様を中心にクライアント企業様の組織作りに従事する。
2013年には福岡拠点の立ち上げメンバーに選抜され、たった1人で福岡拠点を軌道に乗せることに成功し、7名の社員を受け入れ、達成し続ける拠点運営を確立した。
その後、本社配属され営業企画として同社のサービス体系・仕組みづくりに注力している。

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